日差しがまぶしい、よく晴れた日曜日にヨリミチしてきました。
ヨリミチ史上初、午前中の開催となった今回は「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」が舞台です。
会場に入る前にハルシャ展の説明と、タイムスケジュールを紹介します。
今回は、はじめにグループに分かれて鑑賞、その後はひとりで鑑賞し、最後にもう一度グループで鑑賞する、3ブロックに分かれた構成です。
グループに分かれて自己紹介タイム。自己紹介では、参加者の皆さんが持ってきたヨリミチアイテムを発表していただきました。今回のアイテムは「あなたが思うチャーミングなもの」。

参加者それぞれの個性が垣間見える品と一緒に自己紹介をしました。
それぞれのチャーミングを紹介していただいた後は、いよいよ会場へ入ります。
■みんなでみる時間①
参加者3名、ファシリテーター1名のグループに分かれて1作品を鑑賞。
作品の印象や感じたことなど自由に話してもらいました。
参加者からの言葉「ハルシャの絵の中に様々な属性を持った人たちが描かれていて、私も存在を認められているような気持ち。肯定感を感じる。」「ひとつひとつを見ると細かいのだけど、離れて見ると模様のようにみえて、また違うものが見えてきた。」
リフレインのように繰り返し描かれる人物像。同じように見えるけど、近づいてみると一人ひとりちょっと違う。離れてみると、やっぱり同じように見える。あれ、でもなんだか他のものにも見えてきた。
■ひとりでみる時間
グループを一旦解散し、一人でじっくり作品と向き合う時間です。
スタッフも会場内に散らばり、作品の前で参加者と言葉を交わしました。
《空を見つめる人びと》でみんなで寝転がって写真を撮ったり、《レフトオーバーズ(残りもの)》の作品の前で南インド料理の話に花が咲いたり。「いろんな顔や服装の人が一緒の空間にいて、自分もその中の一人で、何か繋がっている感がする。」といった言葉も。
■みんなでみる時間②
室内の曲がり角を曲がると、どーんとこの宇宙が広がっています。「おおっ」と声が漏れるような大きな空間です。この作品の前にゴザが敷いてあって、とっても良い場所でした。
ここでグループが再会して、ひとりでみる時間の振り返りと、感想の共有をします。
みんなで見たい作品や、気になった作品をもう一度見に行きました。
参加者からの言葉「どの絵からも、継続性を感じる。」「ぐるっと一周したら、最初のイメージだけでない見え方がする。最初は暗い、ネガティブなイメージだったけど、細かい表情や仕草、暗いだけではない、描かれた人の個々の個性をみるようになっていた。」「ハルシャ自身もインドのローカルから外の世界に視線を向けていき、それに連れて作風が明るくなってきて、物事を一つ上のフェーズから見られるようになったって感じがする。」
参加者それぞれが一人で作品を鑑賞し、内省的な旅を終えてグループに戻りました。
話をする誰かがいると、自分の考えを言葉に変換することができます。頭の中を整理することができて、少しスッキリできます。
この頃になると、会場や他の参加者にも慣れてきて、皆さんリラックスしてきました。
■ひとこと感想・解散
会場から出て、参加者・運営スタッフ全員で終わりの挨拶。
参加者の方から一言ずつ感想をもらいました。普段はひとりで鑑賞している方がほとんどでしたが、みんなでみることで視野が広がったり、他の人と感想を共有する面白さを感じていただけたようです。
参加者からの言葉「絵を見て会話が始まっていって、はじめてあった人たちとは思えない感覚が、今はする。」
終わりの挨拶後、他の参加者を誘って、もう一度会場へ戻って鑑賞を続ける方もいらっしゃいました。
ハルシャさんの多様性をまるごと受け入れるような部分と、ヨリミチミュージアムが大切にしている、一人ひとりの価値観や視点を尊重する部分とがうまくマッチしたのではないかと思いました。こんなふうに、ミュージアムがアートを通じて人と人を繋げていけるような場所になれたら素敵ですね。
そんな機会を多く作れるように、ヨリミチミュージアムも「チャーミングな旅」を続けていきます。また次回、どこかの場所で!
Writer:太田 代輔