◎実施レポート◎ 国立西洋美術館 常設展編 2018.4.22

 

4月なのに30度近い夏日となった日曜日の午後。

東京・上野にある国立西洋美術館(以下、西美)でヨリミチミュージアムが開催されました。こちらの美術館にヨリミチするのは今回が初めて。スタッフ側も新しいヨリミチの舞台にワクワクです。

西美といえば、2016年に世界遺産登録されたことでも話題となりましたね。
この日も多くの人たちで賑わっていました。

■今日のヨリミチのテーマは?


日差しを避けて、美術館の脇の木陰でプログラム開始です。

始めに全体で今日のプログラムの概要を説明します。その後グループに分かれて、各グループのファシリテーターから今日の流れの詳細を共有します。

 

今回のヨリミチのテーマは「マイファーストピース」。
大正・昭和期の実業家・松方幸次郎のコレクションを西美が収蔵していることにならい、自分がアートコレクションを始めることを想像して、「一番最初に手元に置いてみたい作品(ファーストピース)」を探します。

 

説明が終わったグループから美術館の中へ。向かう先は常設展示室。
西美の常設展では中世末期から20世紀初頭の西洋絵画と、フランス近代彫刻が展示されています。

 

まずはグループ全員でぐるっと展示室を一周して会場把握を行います。

参加者の中には初めて西美の常設展を訪れた方も。
時折足を止めながら美術館の雰囲気をつかみます。

■コレクションを求めて

ひとまわりしたら今度は参加者に「ヨリミチカード」が手渡されます。

 

カードには
・マイファーストピースの作品名
・選んだ理由は?
・どこに飾りたい?
の3つの記入欄があり、こちらを
メモ帳代わりに使ってもらいます。

 

ここからは一人で作品を見る時間。
どんな絵にしようか、誰の作品にしようか、どんなところに飾ろうか。。
イメージを膨らませながら自分のコレクションの手はじめの一品を探しています。

■マイファーストピース

皆さんのファーストピースが出そろったところで、グループで作品を見る時間。ファシリテーターが作品のある場所を確認し、一人ひとりのコレクションを見に行きます。

作品の前を囲みながら、コレクターとなった参加者が作品について
どうしてその作品を選んだのか、どのように飾りたいのかを発表していきます。他の参加者も発表者の説明を興味深く聞いています。

ここで実際に皆さんの言葉をいくつか拾ってみましょう。

 


ヴィルヘルム・ハンマースホイ《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》

・静かで落ち着いた感じなので自然に飾れそう。飾るなら、森の中のカフェとか。作品の空間と続いているように飾ったらいいかなと思う。(女性)
・ファーストピースは背伸びをしない感じのがいいなと思って、手頃なサイズ感こちらの作品を。自分がピアノをやっているのもある。作品と同じような空間を作って、ピアノの上に飾りたい。(女性)

 


ラウル・デュフィ《モーツァルト》

・あざやかな色合いやタッチがタイトルと違ってジャズっぽい印象。ジャズバーやそこのトイレに置いてみたい。あえて狭い空間に置くことで絵と近しい感じがする。あるいはこの作品のために家を作って、そこに飾りたい。(男性)

・小さな絵の中にぎゅっと要素が凝縮されているけど余白を感感じることができる。音が聞こえてきそう。一軒家のレストランの白い壁にこの絵だけをおきたい。他の絵と混ぜたくたくない。これだけに注目してほしい。(女性)

 


ウィリアム・アドフル・ブーグロー《音楽》

・絵に書かれている人の表情に癒される。バックのブルーのうえに白っぽく人間が書かれて、銭湯にある富士山に重なり、浴室に置きたくなった。大理石で、ライオンから水が出ているオブジェがついているようなお風呂をイメージした。(男性)

 

ひとり占めの空間でコレクションを満喫するという方もいれば、お店に飾りたいなど自分のコレクションを誰かに見てほしいという方も。
額縁を変えたり、設置する目線の高さも自分好みにしたいとこだわった意見もありました。

同じ作品でも選んだ人によって、選考理由も飾りたい場所も変わってきます。
これらの作品が美術館から離れたらどのような姿になるのか・・・。
私たちも色々イメージが膨らみました。

 

■最後にみんなで共有

展示室を離れ、美術館の空いているスペースで再び全員集合しました。
他のグループの人がどんな作品を選んだのか
共有しあいます。
本日のプログラムはここまで。ヨリミチの時間も終わりとなります。
解散後に、他の人が選んだ作品も見てみたいと展示室に戻られる方もいました。

■今日はもうちょっと寄り道。

そしてこの日はさらにもう一イベント。
ヨリミチスタッフ行きつけの居酒屋で参加者の方々を交えた懇親会が開催されました。
今日のプログラムの振り返りをもうちょっと踏み込んで聞いてみたり、
好きなアートの話を語り合ったり、人生相談もあったり。
プログラム中は別のグループだった参加者もこの場で交流。
連絡先交換など自然と始まり、今後のつながりも生まれました。

ヨリミチネットワーク、広がり始めてるかも??

 

■まとめ


今回は「マイファーストピース」ということで美術館の作品の中から自分のコレクションを選ぶなら。。というテーマでヨリミチしてみました。

美術館にある作品を実際にコレクションするのは難しいけれど、想像の中なら自由。もしこの作品が手元にあったらどうやって飾ろうか。。と空想しながら見てみると、またちょっと違った見え方になるかもしれませんね。

さて、今度はどこにヨリミチしようか。次回もご期待ください。

ご参加いただいた皆様ありがとうございました!


Writer:こださわ なおと

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